線形代数

行列の指数関数

行列 A
A=[3113]
とするとき、exp(A) を求めよ。

なお、行列の指数関数は
exp(A)k=0Ann!
で定義されるものとする。

先ず、行列 A の固有値と固有ベクトルを求める。固有値方程式は
det(AλE2)=(3λ)21=(2λ)(4λ)
となり、これより、固有値は λ=2,4 の2つであることが分かる。ここに、E2 は2行2列の単位行列である。

各々の固有値に対する規格化された固有ベクトルを求めると、

λ=2 のとき
[1212]
と選ぶことが出来て、また
λ=4 のとき
[1212]
と選ぶことが出来る。

固有ベクトルの選び方は一意的では無いことに注意して欲しい。固有ベクトルの大きさも1である必要はないが、以下の議論で、単位ベクトルとなるように選んでおくと、計算が簡便になる。

これより、行列 P
P=[12121212]
と置けば
AP=P[2004]A=P[2004]tP
が成り立つことが分かる。
ここに行列 PPtP=tPP=E2 を満たしており、直交行列であることを使った。
(これが固有ベクトルを単位ベクトルに取ったご利益である。)

従って、n=0,1,2, に対して
An=(P[2004]tP)(P[2004]tP)(P[2004]tP)=P[2004](PtP)[2004](tPP)(tPP)[2004]tP=P[2004]ntP=P[2n004n]tP
となることが分かる。従って
exp(A)=k=01n!An=k=01n!P[2n004n]tP=P(k=01n![2n004n])tP=P[e200e4]tP=[12(e2+e4)12(e2+e4)12(e2+e4)12(e2+e4)]
と求まる。