解析学(微分積分)

2変数関数の極値

2つの実数変数の関数
\begin{eqnarray}
f(x, y) &=& x^4 + y^4 – 2(x – y)^2
\end{eqnarray}
の極値を全て求めよ。

2変数関数 $f(x, y)$ は $ – \infty < x < + \infty, – \infty < y < + \infty$ において微分可能であるので、極値を持つ必要条件は
\begin{eqnarray}
\frac{\partial f(x, y)}{\partial x} = \frac{\partial f(x, y)}{\partial y} = 0
\end{eqnarray}
である。これらの偏微分を実際に行えば
\begin{eqnarray}
\frac{\partial f(x, y)}{\partial x} &=& 4 x^3 – 4 (x – y) = 4x(x^2 – 1) + 4 y \\
\frac{\partial f(x, y)}{\partial y} &=& 4 y^3 + 4 (x -y) = 4 x + 4 y(y^2 – 1)
\end{eqnarray}
が得られ、
\begin{eqnarray}
4 x (x^2 – 1) + 4 y &=& 0 \\
4 x + 4 y(y^2 – 1) &=& 0
\end{eqnarray}
を満たす $(x, y)$ が極値を持つ必要条件となる。

この2式から
\begin{eqnarray}
x^3 + y^3 &=& 0 \\
(x + y)(x^2 – x y + y^2) &=& 0
\end{eqnarray}
が得られる。

ここで、
\begin{eqnarray}
x^2 – x y + y^2 = 0
\end{eqnarray}
を満たす実数 $(x, y)$ は$x = y = 0$ 以外には存在しないことが、この式を $x$ の2次方程式とみて判別式を考えることにより分かる。実際に、判別式 $D$ は
\begin{eqnarray}
D &=& y^2 – 4 y^2 = – 3 y^2
\end{eqnarray}
となり、実数解を持つのは $y = 0$ の時のみであり、この時 $x = 0$ が導かれる。
次に、$x + y = 0$ となる場合を考える。この条件を先の方程式に代入すれば
\begin{eqnarray}
x^3 – 2 x &=& 0
\end{eqnarray}
なる条件が得られる。

この方程式を解くことにより
\begin{eqnarray}
x &=& 0, \pm \sqrt{2} \\
y &=& 0, \mp \sqrt{2}
\end{eqnarray}
が得られる。(複合同順)

先に、得られた原点もこの解に含まれるので、これら3つが極値を持つ候補となる。

先ずは、$(x, y) = (\sqrt{2}, – \sqrt{2})$ を考えよう。

$f(x, y)$ を $(\sqrt{2}, – \sqrt{2})$ の周りで展開すると、この点が極値を持つ必要条件を満たしていることから、1次の変化は消える。実際に、$x = \sqrt{2} + \delta_x, y = – \sqrt{2} + \delta_y$ とすると
\begin{eqnarray}
f(\sqrt{2} + \delta_x, – \sqrt{2} + \delta_y) &=& (\sqrt{2} + \delta_x)^4 + (-\sqrt{2} + \delta_y)^4 – 2((\sqrt{2} + \delta_x) – (-\sqrt{2} + \delta_y))^2 \\
&=& – 8 + 10 (\delta_x^2 + \delta_y^2) +4 \delta_x \delta_y + O(\delta_x^3) + O(\delta_x^3) \\
&=& – 8 + 8(\delta_x^2 + \delta_y^2) + 2(\delta_x + \delta_y)^2 + O(\delta_x^3) + O(\delta_x^3)
\end{eqnarray}
となる。

ここで
\begin{eqnarray}
8(\delta_x^2 + \delta_y^2) &\ge& 0 \\
2(\delta_x + \delta_y)^2 &\ge& 0
\end{eqnarray}
であり、等号が成立するのは、$\delta_x = \delta_y = 0$ の時であるので、$(\sqrt{2}, – \sqrt{2})$ において $z = f(x, y)$ は極小値 $-8$ を取ることが結論付けられる。

関数 $f(x, y)$ は $f(x, y) = f(y, x)$ なる対称性があるので、もう一方の極値の候補 $(- \sqrt{2}, \sqrt{2})$ も、極小値 $-8$ を取る。

最後に、原点において極値を持つかどうかを確かめる。

$y = 0$ として $x$ を原点付近で変化させると、
\begin{eqnarray}
f(x, 0) &=& x^4 – 2 x^2 \\
&=& x^2(x^2 – 2)
\end{eqnarray}
となるが、これを $x$ の関数として見れば、原点において極大値 $0$ を持つことが分かる。

一方で、$f(x, y)$ で $x = y$ とすると
\begin{eqnarray}
f(x, x) &=& x^4 + x^4 – 2 (x – x)^2 \\
&=& 2 x^4
\end{eqnarray}
となり、$x = 0$ で極小値 $0$ を取ることが分かる。

従って、原点において $f(x, y)$ は鞍点となることが結論付けられる。

以上の議論により、2変数関数 $f(x, y)$ の極値は $(x, y) = (\pm \sqrt{2}, \mp \sqrt{2})$(複合同順)の時の極小値 $-8$ のみであることが分かる。