特殊相対性理論

ローレンツ(Lorentz)変換

二つの慣性系S,Sを考え、慣性系Sに対して、もう一方の慣性系Sが速度V=(Vx,Vy,Vz)で動いているとき、慣性系Sにおける座標xと慣性系Sにおける座標xの間には、以下の関係が成立する。
ここで、x=T(x0,x1,x2,x3)=T(ct,x,y,z)とし、xも同様に「」を付けて表す。
xi=Λ  ji xj
ここに
(Λ  ji)=(γγVxcγVycγVzcγVxc1+(γ1)Vx2V2(γ1)VxVyV2(γ1)VxVzV2γVyc(γ1)VyVxV21+(γ1)Vy2V2(γ1)VyVzV2γVzc(γ1)VzVxV2(γ1)VzVyV21+(γ1)Vz2V2)
と定義され、cは光速、γ,V
γ=11V2c2V=|V|
とする。
これを、ローレンツ(Lorentz)変換という。

このとき、逆にxxで表す行列を求めよ。

xxで表す行列はΛの逆行列Λ1を求めれば良いが、これは物理的に考えると、ΛにおいてVVとしたものに等しいと考えられる。
実際に
Λ(V)=(γγVxcγVycγVzcγVxc1+(γ1)Vx2V2(γ1)VxVyV2(γ1)VxVzV2γVyc(γ1)VyVxV21+(γ1)Vy2V2(γ1)VyVzV2γVzc(γ1)VzVxV2(γ1)VzVyV21+(γ1)Vz2V2)
として
ΛΛ(V)
を計算すると
(ΛΛ(V))  00=γ2γ2Vx2c2γVy2c2γVz2c2=γ(1V2c2)=1(ΛΛ(V))  10=γ2VxcγVxc(1+(γ1)Vx2V2)γVyc(γ1)VyVxV2γVzc(γ1)VyVxV2=0(ΛΛ(V))  11=γ2Vx2c2+(1+(γ1)Vx2V2)2+((γ1)VyVxV2)2+((γ1)VzVxV2)2=1(ΛΛ(V))  21=γ2VxVyc2+(1+(γ1)Vx2V2)(γ1)VxVyV2+(γ1)VxVyV2(1+(γ1)Vy2V2)     +(γ1)VxVzV2(γ1)VzVyV2=0
となり、他の成分も同様の計算でΛ(V)Λの逆行列であることが分かる。

物理的な状況を考えれば、もっともらしい結果であり、実際に計算しても示すことが出来る。