解析学(微分積分)

関数空間における距離関数

閉区間[1,1]上で定義される実数値連続関数全体の集合をC[1,1]で表す。この時、次の二つの関数を定義する。
d0:C[1,1]×C[1,1]R1, d0(f,g)=sup{|f(x)g(x)||1x1}d1:C[1,1]×C[1,1]R1, d1(f,g)=11|f(x)g(x)|dx
d0,d1は距離関数である。

また、f:[1,1]R,f(x)=xg:[1,1]R,g(x)1x2とする。このとき

(1) d0(f,g)d1(f,g)を求めよ。

(2) 距離d1について、ϵ=1としたとき、gϵ近傍に属する関数h:[1,1]Rの例を1つ挙げよ。ただし、ghとなるようにすること。

(1) まずd0(f,g)を求める。
h(x)=f(x)g(x)=x(1x2)=x2+x1
とすると、
h(x)=2x1
に注意して、h(x)|h(x)|の増減表を作ると
x1121+521h(x)0++++h(x)1↘54↗0↗1|h(x)|1↗54↘0↗1
となるので、
d0(f,g)=sup{|fg||1x1}=sup{|h(x)||1x1}=54
と求まる。

次にd1(f,g)を求めると
d1(f,g)=11|f(x)g(x)|dx=11+52(x2x+1)dx+1+521(x2+x1)dx=5516
となる。ここで積分計算は、α=1+52とする時、α2+α1=0なる関係が成り立つことを利用すると計算が楽になる。

(2)
h(x)=kx+g(x)=kx+(1x2)
として、どのようなkgϵ-近傍にあるかを考える。ここに簡単のためにk>0とする。
(先に定義したhとは別の事なので注意して欲しい。)

d1(h,g)=11|h(x)g(x)|dx=11k|x|dx=k
すなわちk<1と取れば、h(x)gϵ-近傍にある事が分かる。

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