特殊相対性理論

ダランベルシアンのローレンツ不変性

2つの直交座標系S,Sがあり、SSに対してx方向に速さVで動いているとするとき、特殊相対性理論では、以下の変換が成立する。これをローレンツ(Lorentz)変換という。
ct=γ(ctβx)x=γ(β(ct)+x)y=yz=z
ここに、cは光速であり、
γ=11V2c2β=Vc
である。

このとき、ダランベルシアン
◻=2x2+2y2+2z21c22t2
が不変であることを示せ。

t=ttt+xtx=γtγβcxx=txt+xxx=γβct+γxy=yz=z
が成り立つことに注意すると、S系におけるダランベルシアンは
◻=2x2+2y2+2z21c22t2=(γβct+γx)21c2(γtγβcx)2+2y2+2z2=((γβc)2γ2c2)2t2+(γ2γ2β2c2c2)2x2     2γ2βc2tx+2c2γ2βc2tx     +2y2+2z2=γ2c2(β21)2t2+γ2(1β2)2x2+2y2+2z2=1c22t2+2x2+2y2+2z2=◻
となり、S系でのダランベルシアンと等しくなる。
ここで
γ2(1β2)=11V2c2(1V2c2)=1
を用いた。