特殊相対性理論 ダランベルシアンのローレンツ不変性 admin 2023年11月6日 2つの直交座標系S,S′があり、S′がSに対してx方向に速さVで動いているとするとき、特殊相対性理論では、以下の変換が成立する。これをローレンツ(Lorentz)変換という。 ct′=γ(ct–βx)x′=γ(−β(ct)+x)y′=yz′=z ここに、cは光速であり、 γ=11–V2c2β=Vc である。 このとき、ダランベルシアン =∂2∂x2+∂2∂y2+∂2∂z2–1c2∂2∂t2 が不変であることを示せ。 ∂∂t=∂t′∂t∂∂t′+∂x′∂t∂∂x′=γ∂∂t′–γβc∂∂x′∂∂x=∂t′∂x∂∂t′+∂x′∂x∂∂x′=–γβc∂∂t′+γ∂∂x′∂∂y=∂∂y′∂∂z=∂∂z′ が成り立つことに注意すると、S系におけるダランベルシアンは =∂2∂x2+∂2∂y2+∂2∂z2–1c2∂2∂t2=(−γβc∂∂t′+γ∂∂x′)2–1c2(γ∂∂t′–γβc∂∂x′)2+∂2∂y′2+∂2∂z′2=((γβc)2–γ2c2)∂2∂t′2+(γ2–γ2β2c2c2)∂2∂x′2 –2γ2βc∂2∂t′∂x′+2c2γ2βc∂2∂t′∂x′ +∂2∂y′2+∂2∂z′2=γ2c2(β2–1)∂2∂t′2+γ2(1–β2)∂2∂x′2+∂2∂y′2+∂2∂z′2=–1c2∂2∂t′2+∂2∂x′2+∂2∂y′2+∂2∂z′2=′ となり、S′系でのダランベルシアンと等しくなる。 ここで γ2(1–β2)=11–V2c2(1–V2c2)=1 を用いた。