\(0 < a < 2\)とする。
円柱面
\[(x – 2 + a)^2 + y^2 = a^2\]
のうち、球面
\[x^2 + y^2 + z^2 = 4
\]
の内部にある部分の面積\(S(a)\)を\(a\)の関数として表し、\(a\)を冒頭の範囲で変化させたときの\(S(a)\)の最大値を求めよ。
\[\begin{align}
x &= 2 – a + a\cos\theta \\
y &= a\sin\theta
\end{align}\]
と表すことが出来る。ここに\(0 \le \theta \le 2 \pi\)である。
球面によって切り取られる上下の\(z\)座標を求めると、この側面のパラメータ表示を球面の方程式に代入して
\[\begin{align}
z^2 &= 4 – (2 – a + a \cos\theta)^2 – (a \sin\theta)^2 \\
&= 2 a (2 – a) (1 – \cos\theta) \\
&= 4 a (2 – a) \sin^2\frac{\theta}{2} \\
z &= \pi 2 \sqrt{a (2 – a)} \sin\frac{\theta}{2}
\end{align}\]
と求まる。
従って、球面内部にある円柱側面の面積\(S(a)\)は
\[\begin{align}
S(a) &= 2 \int_0^{2 \pi} \sqrt{2 a (2 – a)} \sin\frac{\theta}{2} a {\rm d}\theta \\
&= 4 \sqrt{a^3 (2 – a)} \left[-2 \cos\frac{\theta}{2} \right]_0^{2\pi} \\
&= 16 \sqrt{a^3 (2 – a)}
\end{align}\]
と求まる。
ここで、\(S(a)\)の最大値を求める為に相加相乗平均の関係を用いる。すなわち
\[
\left(\frac{a}{3} \cdot \frac{a}{3} \cdot \frac{a}{3} \cdot (2 – a)\right)^{\frac{1}{4}} \le \frac{\frac{a}{3} + \frac{a}{3} + \frac{a}{3} + (2 – a)}{4} = \frac{1}{2}
\]
から
\[
\sqrt{a^3 (2 – a)} \le \frac{3 \sqrt{3}}{4}
\]
が導かれる。ここに等号成立は\(a = \frac{3}{2}\)の時であり、\( 0 < a < 2\) の範囲内にある。したがって、
\[
S(a) \le 12 \sqrt{3}
\]
となり、\(S(a)\)の最大値は\(12 \sqrt{3}\)と求まる。