解析学(微分積分)

連立微分方程式

tを独立変数とする連立微分方程式
dxy+z=dyz+x=dzx+y=dt
について、次の問いに答えよ。

(1) 上の連立微分方程式の解で、t=0のときx(0)=1,y(0)=0,z(0)=2であるものを求めよ。

(2) (1)で求めた解について、x(t)=0となるtの値、およびz(t)t0における最小値をとるtの値をそれぞれ求めよ。

(1) 与えられた微分方程式を分けて書くと
dxdt=y+zdydt=z+xdzdt=x+y
となる。この3式を全て足し合わせると
ddt(x+y+z)=2(x+y+z)
となる。この微分方程式の解はCを定数として
x(t)+y(t)+z(t)=Ce2t
と書ける。t=0における条件
x(0)+y(0)+z(0)=1+0+2=1
から
C=1
と求まる。すなわち
x(t)+y(t)+z(t)=e2t
となる。

この解を使えば、xに関する微分方程式は
dxdt=y+z=x(t)+e2t
となる。この微分方程式の解を定数変化法で解く。
x(t)=Cx(t)et
とおくと
dxdt=(ddtCx(t))etCx(t)et
より、Cx(t)を決める微分方程式は
ddtCx(t)=e3t
と求まる。x(0)=1なる初期条件はCx(0)=1を意味するので
Cx(t)=13e3t43
となり、結局
x(t)=(13e3t43)et=13e2t43et
と求まる。

同様にy(t)を決める微分方程式
dydt=z+x=y(t)+e2t
に対して
y(t)=Cy(t)et
とすると、Cy(t)を決める微分方程式は
ddtCy(t)=e3t
であり、初期条件y(0)=0からCy(0)=0となるように積分定数を選ぶと
Cy(t)=13e3t13
となる。従って
y(t)=13e2t13et
と求まる。

z(t)に対しても同様にして
dzdt=x+y=z(t)+e2t
から、
z(t)=Cz(t)et
とおいて、初期条件z(0)=2Cz(0)=2となる事に注意すれば
Cz(t)=13e3t+53
となるので
z(t)=13e2t+53et
と求まる。

(2)
x(t)=13e2t43et=0
を解けば
t=23log2
と求まる。

z(t)=13e2t+53et
において、tで微分することにより
z(t)=23e2t53et
が得られる。z(t)=0となるtを求めると
t=13log52
となり、t0において増減表を書くと
t013log52z(t)0+z(t)2↘↗
となるので、t0におけるz(t)の最小値は
t=13log52
の時であると分かる。

RELATED POST