線形代数

次元定理

n次元線形空間Rnからm次元線形空間Rmへの線形写像fについて、Imf,Kerf
Imf={f(x)|xRm}Kerf={x|xRn,f(x)=Om} (ここにOmRmの零ベクトル)
と定義する。このとき、次の問いに答えよ。

(1) KerfRnの線形部分空間であり、ImfRmの線形部分空間であることを示せ。

(2) 行列
A=(33223542127221425033)
の定めるR5からR4への線形写像fにおいて、ImfKerfの次元をそれぞれ求めよ。

(1)
x,yKerfとすると、α,βRに対して
f(αx+βy)=αf(x)+βf(y)=αOm+βOm=Om
となるので、αx+βyKerfとなる。
従って、KerfRnの線形部分空間である。

u,vImfとすると、x,yRn,f(x)=u,f(y)=vとなる。
従ってα,βRに対して
αu+βv=αf(x)+βf(y)=f(αx+βy)
となるので、αu+βvImfとなる。
従って、ImfRmの線形部分空間である。

(2) 行列Aに対して、各行に対して基本変形を行う。
(33223542127221425033)(54212135601126006177603)(2161010135601662436002281200)(2161010135601000002281200)(52230102100100000114600)(5223010210010000011623100)(2100152230101162310000000)
となり、行列Aのrankは3と求まる。

従って、
dim(Imf)=3
となり、
dimR5=dim(Imf)+dim(Kerf)
から
dim(Kerf)=dimR5dim(Imf)=53=2
と求まる。

ここで利用した
dimR5=dim(Imf)+dim(Kerf)
なる関係は「次元定理」と呼ばれ、非常に重要である。