線形代数

固有値と固有ベクトル

A,B,Cをある三角形の3つの内角の大きさとし、次の行列を考える。
P=(0cosCcosBcosC0cosAcosBcosA0)
これについて、次の問いに答えよ。

(1) 1が固有値の1つである事を示せ。

(2) 他の2つの固有値を求めよ。

(3) 固有値1に対する固有ベクトルを求めよ。正規化する必要はない。

(1) 固有値を求める固有方程式D(λ)
D(λ)=λcosCcosBcosBλcosAcosBcosAλ=λ3+(cos2A+cos2B+cos2C)λ+2cosAcosBcosC
となる。
ここで、A,B,Cは三角形の内角であるのでA+B+C=πが成り立つので
cosB=cos(πAC)=cos(A+C)=sinAsinCcosAcosC
が成り立つ。

今、1が行列Pの固有値であることを示したいので、D(1)=0が言えれば良い。実際に
D(1)=1+(cos2A+cos2B+cos2C)+2cosAcosBcosC=1+cos2A+(sinAsinCcosAcosC)2+cos2C   +2cosA(sinAsinCcosAcosC)cosC=1+cos2A+sin2Asin2C+cos2Acos2C2sinAcosAsinCcosC+cos2C   +2sinAcosAsinCcosC2cos2Acos2C=1+cos2A+(1cos2A)(1cos2C)+cos2Acos2C+cos2C2cos2Acos2C=0
となるので、1は行列Pの固有値である。

(2) (1)で1が行列Pの固有値であることが分かったので、固有値方程式D(λ)(λ1)を因数に持つことが分かる。実際に、D(λ)(λ1)で割ると
D(λ)=(λ1)(λ2λ+(cos2A+cos2B+cos2C1))
となる。
D(1)=0
の関係式から、これは
D(λ)=(λ1)(λ2+λ+2cosAcosBcosC)
と変形出来る。
従って、残り2つの固有値は
λ=12(1±18cosAcosBcosC)
と求まる。

(3) λ=1に対する固有ベクトルux,uy,uz)
ux+cosCuy+cosBuz=0cosCuxuy+cosAuz=0cosBux+cosAuyuz=0
を解いて求まる。

uxを消去すると
sin2Cuy+(cosA+cosBcosC)uz=0
なる方程式が得られるが、これは
sin2Cuy+sinBsinCuz=0
と変形できるので、例えば
uy=sinBuz=sinC
が解の1つとなり、この時、
ux=sinA
となる。
従って、固有値1に属する固有ベクトルはk0でない任意の複素数として
k(sinA,sinB,sinC)
と求まる。