線形代数

線形写像と表現行列

Vを3次以下の実係数1変数多項式からなる実線形空間、Wを2次以下の実係数1変数多項式からなる実線形空間とする。
VからWへの写像F
F(f(x))=2xf(x)f(x+1)+x2f(1)
によって定める。この時、次の問いに答えよ。

(1) Fは線形写像であることを示せ。

(2) Vの基底を1,3x5,2x23x,x32x2+4
Wの基底を1,x1,(x1)2とするとき、これら2つの基底に関する線形写像Fの表現行列を求めよ。

(1) Vの任意の2つの元をf(x),g(x)とし、α,βを任意の実数とする。この時、
F(αf(x)+βg(x))=2xd2dx2(αf(x)+βg(x))ddx(αf(x)+βg(x))+x2(αf(1)+βg(1))=α(2xf(x)f(x)+x2f(1))+β(2xg(x)g(x)+x2g(1))=αF(f(x))+βF(g(x))
従って、写像Fは線形写像である。

(2)
Vの基底を
eV1=1eV2=3x5eV3=2x23xeV4=x32x2+4
と書き、Wの基底を
eW1=1eW2=x1eW3=(x1)2
と書く事にする。
Vの各基底が線形写像Fによってどのように写るかを調べる。
F(eV1)x2=(x1)2+2(x1)+1=eW1+2eW2+eW3F(eV2)=2x23=2(x1)24(x1)5=5eW14eW22eW3F(eV3)=x2+4x1=(x1)2+2(x1)+2=2eW1+2eW2eW3F(eV4)=12x210x+1=12(x1)2+14(x1)+3=3eW1+14eW2+12eW3

従って、線形写像Fの与えられた基底における表現行列は
(15232421412112)
と求まる。