$p$ を素数とする時、$p$ 元体 $F_p = \{0, 1, 2,\cdots, p – 1\}$ の元を係数に持つ多項式の全体 $F_p[x]$ において、$f_p(x) = x^{p – 1} – 1$ は
\begin{eqnarray}
f_p(x) = (x – 1) (x – 2) \cdots (x – (p – 1))
\end{eqnarray}
と分解出来ることを示せ。
フェルマーの小定理を用いて証明する。フェルマーの小定理の主張は以下である。
$p$ を素数とし、$a$ を $p$ の倍数でない整数とするとき
\begin{eqnarray}
a^{p – 1} \equiv 1\ ({\rm mod}\ p)
\end{eqnarray}
が成り立つ。
今、$p$ を素数として、$p$ 元体 $F_p =\{0, 1, 2, \cdots, p -1\}$ の元を係数を持つ多項式全体 $F_p[x]$ において、$f_p(x) = x^{p – 1} – 1$ を考えると、$1, 2, 3, \cdots, p – 1$ は $p$ の倍数ではない。従って、フェルマーの小定理により
\begin{eqnarray}
a^{p – 1} \equiv 1\ ({\rm mod}\ p), a = 1, 2, 3, \cdots, p -1 \\
\end{eqnarray}
が成り立つ。すなわち、$a = 1, 2, 3, \cdots, p – 1$ に対して
\begin{eqnarray}
f_p(a) \equiv 0\ ({\rm mod}\ p)
\end{eqnarray}
が成り立つ。
従って、$f_p(x)$ は $(x – 1) (x – 2) (x – 3) \cdots (x – (p – 1))$ を因数に持つ事が分かる。
つまり、$C(x) \in F_p[x]$ として
\begin{eqnarray}
f_p(x) &=& C(x) (x – 1) (x – 2) (x – 3) \cdots (x – (p – 1))
\end{eqnarray}
と書く事が出来る。
$f_p(x)$ の最高次数は $p – 1$ であり、さらに $x^{p – 1}$ の係数は $1$ であることから、上記において $C(X) = 1$ であると結論付けられる。
従って、題意が示された。