集合・位相

集合の濃度

次の集合\(X, Y\)について、\(X\)と\(Y\)は対等(集合の濃度が同じ)であるか?対等である場合には対等であることを示すような全単射写像\(f : X \to Y\)の例を1つ挙げよ。対等でない場合には\(X, Y\)の濃度を理由をつけて述べよ。

(1) \(X = \left\{n \in \mathbb{Z} | \exists k \in \mathbb{Z}, n = 4 k \right\},\ \ \ Y = \left\{n \in \mathbb{N} | \exists m \in \mathbb{N}, n = 5 m \right\}\)

(2) \(X = \left\{n \in \mathbb{N} | 1 < n < 50 \right\},\ \ \ Y = \left\{y \in \mathbb{R} | -1 < y < 1 \right\}\) \(\\ \)

(3) \(X = \left\{x \in \mathbb{R} | 0 \le x < 5 \right\},\ \ \ Y = \left\{y \in \mathbb{R} | -10 < y \le 100 \right\}\)

(1) \(X\)と\(Y\)の濃度は同じである。なぜなら次のような全単射写像\(f: X \to Y\)が存在するからである。

任意の\(X\)の元\(x\)は整数\(k\)を使って\(x = 4 k\)と書ける。この時\(f(x)\)を
\[
\begin{array}{ll}
k = 0 \mbox{の時} & f(x) = 5 \\
k > 0 \mbox{の時} & f(x) = 10 k \\
k < 0 \mbox{の時} & f(x) = -10 k + 5 \\
\end{array}
\]
とすれば、\(f\)は\(X\)から\(Y\)への全単射写像となる。\(\\ \)

(2) 対等でない。

なぜなら、\(X\)の濃度は有限で\(48\)であるのに対して、\(Y\)の濃度は実数の濃度と同じで\(2^{\aleph_0}\)であるからである。\( \\ \)

(3) 対等である。なぜなら次のような全単射写像\(f: X \to Y\)が存在するからである。

任意の\(X\)の元\(x\)について
\[
f(x) = 100 – \frac{110}{5} x
\]
なる写像\(f\)を考えれば良い。