集合・位相

開集合と閉集合

$a, b \in \mathbb{R}, a < b$ とするとき、
左半開区間 $(a, b] \in \mathbb{R}$ は、
$\mathbb{R}$ の開集合でも閉集合でもないことを示せ。

$I = (a, b]$ とおく。
$b \in I$ について、どんな $\epsilon > 0$ を考えても
\begin{align}
B(b, \epsilon) \not\subset I
\end{align}
となる。なぜなら、$b + \epsilon/2 \notin I, b + \epsilon/2 \in B(b, \epsilon)$ であるからである。
よって、$(a, b]$ は開集合ではない。

次に、$I$ の $\mathbb{R}$ における補集合を考えると $I^{\rm c} = (-\infty,a] \cup (b, +\infty)$ となる。
ここで、$I^{\rm c}$ は開集合ではない。なぜなら、$a \in I^{\rm c}$ であるが、任意の $\epsilon > 0$ について、$\epsilon’ = {\rm min}\{\epsilon, b – a\}$ とすると
\begin{align}
B(a, \epsilon’) \not\subset I^{\rm c}
\end{align}
となるからである。
なぜなら、$a + \epsilon’/2 \notin I^{\rm c}, a + \epsilon’/2 \in B(a, \epsilon’)$ となるからである。
よって、$I^{\rm c}$ は開集合ではない。すなわち $I$ は閉集合ではない。

以上の議論より、$I$ は閉集合でも開集合でもないことが分かる。