集合・位相

整列定理の応用

$X, Y$ を空でない集合とする。
このとき、整列定理を用いて、次の (1)〜(3) のいずれか1つのみが成り立つことを示せ。

\begin{align}
(1)&\ X \sim Y \\
(2)&\ \# X < \# Y \\
(3)&\ \# Y < \# X
\end{align}

整列定理を用いて、$X, Y$ を各々整列集合にする。
このとき、整列集合の比較定理により、次の (a), (b), (c) のいずれか1つのみが成り立つ。

(a) $X \cong Y$
(b) $\exists b \in Y, X \cong Y\langle b \rangle$
(c) $\exists a \in X, X\langle a \rangle \cong Y$

ここで (a) が成り立つときには、$X \sim Y$ すなわち、(1) が成り立つ。
(b) が成り立つときには、$X$ から $Y$ への単射が存在する。よって、(1) または (2) が成り立つ。
(c) が成り立つときには、$Y$ から $X$ への単射が存在する。よって、(1) または (3) が成り立つ。

さらに、ベルンシュタインの定理により、(1) と (2) が同時に成り立つことはない。
同様に、(1) と (3) が同時に成り立つことはない。

従って、(1), (2), (3) のうち、どれか1つのみが成り立つことが分かる。