解析学(微分積分)

マクローリン展開

関数\(\frac{1}{(1 – x)^3}\)の\(|x| < 1\)におけるマクローリン展開
\[
\frac{1}{(1 – x)^3} = \sum_{n = 0}^{\infty} a_n x^n
\]
について、\(a_n\)を\(n\)を用いて表せ。

\(|x| < 1\)において収束する初項\(1\)公比\(x\)の無限等比級数の和を考えると
\[
\frac{1}{1 – x} = 1 + x + x^2 + x^3 + \cdots + x^n + \cdots
\]
が成立する。両辺を\(x\)で微分すると
\[
\frac{1}{(1 – x)^2} = 1 + 2 x + 3 x^2 + \cdots + n x^{n – 1} + \cdots
\]
となる。もう一度、両辺を\(x\)で微分すると
\[
\frac{2}{(1 – x)^3} = 2 \cdot 1 + 3 \cdot 2 x + \cdots + n\cdot(n – 1) x^{n – 2} + \cdots
\]
が成立する。従って、両辺を\(2\)で割ることにより
\[
\frac{1}{(1 – x)^3} = \frac{1}{2}\left(2\cdot 1 + 3 \cdot 2 x + \cdots + (n + 2)(n + 1) x^n + \cdots \right)
\]
が得られる。従って
\[
a_n = \frac{(n + 2)(n + 1)}{2}
\]
となる。

\[
f(x) = \frac{1}{(1 – x)^3}
\]
として、
\[
a_n = \frac{f^{(n)}(0)}{n!}
\]
を計算しても、もちろん同じ答えが導かれるが、無限等比級数の和に着目すると、より簡単に答えに辿り着く。