確率・統計

平均と分散

「1」、「2」、「3」のカードがそれぞれ3枚、2枚、1枚あります。このカードを袋に入れ、中を見ないで2枚のカードを取り出し、その2枚のカードに書かれている数の積を\(X\)とするとき、次の問いに答えなさい。

(1) \(X\)の平均\(E(X)\)を求めなさい。

(2) \(X\)の分散\(V(X)\)を求めなさい。

\(X\)の平均と分散を求めるには\(X\)の平均\(E(X)\)と\(X^2\)の平均\(E(X^2)\)が分かれば良い。

6枚のカードから2枚のカードを取り出す場合の数は
\[
{}_6 C_2 = \frac{6!}{4!}{2!} = 15
\]
である。

「1」が2枚出る場合の数は\({}_3 C_2 = 3\) なので、確率は\(\frac{3}{15}\)であり、この時\(X = 1, X^2 = 1\)である。
「1」が1枚、「2」が1枚出る場合の数は\({}_3 C_1 \cdot {}_2 C_1 = 6\)なので、確率は\(\frac{6}{15}\)であり、この時\(X = 2, X^2 = 4\)である。
「1」が1枚、「3」が1枚出る場合の数は\({}_3 C_1 \cdot {}_1 C_1 = 3\)なので、確率は\(\frac{3}{15}\)であり、この時\(X = 3, X^2 = 9\)である。
「2」が2枚出る場合の数は\({}_2 C_2 = 1\)なので、確率は\(\frac{1}{15}\)であり、この時\(X=4, X^2 = 16\)である。
「2」が1枚、「3」が1枚出る場合の数は\({}_2 C_1 \cdot {}_1 C_1 = 2\)なので、確率は\(\frac{2}{15}\)であり、この時、\(X=6, X^2 =36\)である。

(1)
\[
E(X) = \left(1 \cdot \frac{3}{15} + 2 \cdot \frac{6}{15} + 3 \cdot \frac{3}{15} + 4 \cdot \frac{1}{15} + 6 \cdot \frac{2}{15}\right) = \frac{8}{3}
\]

(2)
\[
E(X^2) = \left(1^2 \cdot \frac{3}{15} + 2^2 \cdot \frac{6}{15} + 3^2 \cdot \frac{3}{15} + 4^2 \cdot \frac{1}{15} + 6^2 \cdot \frac{2}{15}\right) = \frac{142}{15}
\]
従って
\[
V(X) = E(X^2) – E(X)^2 = \frac{106}{45}
\]
と求まる。