量子力学

Pauli行列の性質2

σx,σy,σxを Pauli 行列(参照問題)とし、σ0を2行2列の単位行列とし、次の行列σθ,ϕを定義する。
σθ,ϕ=sinθcosϕ σx+sinθsinϕ σy+cosθ σz
このとき、
σθ,ϕ2=σ0
を示し、
exp[iφ2σθ,ϕ]=cosφ2σ0isinφ2σθ,ϕ
が成り立つことを示せ。

また、σzの2つの固有状態を
|0=(10),   |1=(01)
と表記するとき、次で定義される状態|θ,ϕ,|θ+π,ϕσθ,ϕの固有状態であり、その固有値は各々11であることを示せ。
|θ,ϕ=eiϕ/2cosθ2|0+eiϕ/2cosθ2|1|θ+π,ϕ=eiϕ/2sinθ2|0+eiϕ/2cosθ2|1

σθ,ϕ=(sin2θcos2ϕ+sin2θsin2ϕ+cos2θ)σ0+   sin2θcosϕsinϕ{σx,σy}+sinθcosθcosϕ{σx,σz}+sinθcosθsinϕ{σy,σz}=σ0
ここで、前の問題の結果を用いた。

exp[iφ2σθ,ϕ]=cosφ2σ0isinφ2σθ,ϕ
の証明についてもσθ,ϕ2=σ0が成り立つことから、前の問題と全く同様の計算で示すことが出来る。

σx|0=(0110)(10)=(01)=|1σy|0=(0ii0)(10)=(0i)=i|1σz|0=(1001)(10)=(10)=|0σx|1=(0110)(01)=(10)=|0σy|1=(0ii0)(01)=(i0)=i|0σz|1=(1001)(01)=(01)=|1
を用いれば
σθ,ϕ|θ,ϕ=eiϕ/2cosθ2(sinθcosϕ|1+isinθsinϕ|1+cosθ|0)+   eiϕ/2sinθ2(sinθcosϕ|0isinθsinϕ|0cosθ|1)=eiϕ/2cosθ2|0+eiϕ/2cosθ2|1=|θ,ϕ
となり、|θ,ϕσθ,ϕの固有値1の固有状態であることが分かる。

|θ+π,ϕについては
σθ+π,ϕ=σθ,ϕ
であることに注意すれば、σθ,ϕの固有値1の固有状態であることが分かる。

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