量子力学

コヒーレント状態の規格化

1次元調和振動子の生成・消滅演算子を各々a^,a^とし、基底状態を|0とする。
この時、以下で定義される状態をコヒーレント状態という。
ここで定義されたコヒーレント状態は規格化されている事を示せ。(ここで、基底状態は規格化されているとする。(0|0=1
|α=e|α|22eαa^|0

以前の問題の「1次元調和振動子の第2量子化とコヒーレント状態」において、コヒーレント状態|αは消滅演算子a^の固有状態であり、その固有値がαである事を使う。

α|α=e|α|220|(eαa^|α)=e|α|220|e|α|2|α=e|α|220|(e|α|22eαa^|0)=(0|eαa^)|0=0|0=1

ここで、
eαa^|0=|0
を使った。

また、コヒーレント状態が消滅演算子の固有状態である事を使わなくても、以前の問題の「演算子において成り立つ関係式」を使う事によっても示すことが出来る。
すなわち、演算子A^,B^において[B^,A^]がc数である時
eA^+B^=e12[B^,A^]eA^eB^
が成り立つことを使う。

ここで、
A^=αa^,B^=αa^

A^=αa^,B^=αa^
について上記の関係式を書くと
eαa^+αa^=e|α|22eαa^eαa^eαa^+αa^=e|α|22eαa^eαa^
となるが、この2式は等しいので
e|α|2eαa^eαa^=eαa^eαa^
が成り立つことが分かる。

問題で定義された、コヒーレント状態のノルムを計算すると
α|α=e|α|20|(eαa^eαa^|0)=e|α|2e|α|20|(eαa^eαa^|0)=(0|eαa^)|0=0|0=1
となり、題意が示された。