特殊相対性理論

Pauli行列の性質3

Pauli行列の性質3(816)特殊相対性理論

σx,σy,σz を各々 Pauli 行列とし、それらを成分として持つ σ
σ=(σx,σy,σz)
で定義する。この時、3 次元のベクトル A,B に対して
(σA)(σB)=(AB)+iσ(A×B)
が成り立つことを示せ。

便宜上、ベクトルの成分を、x,y,z の代わりに 1,2,3 と各々書くことにする。

Einstein の縮約を使えば
(σA)(σB)=σkσlAkBl=[12(σkσl+σlσk)+12(σkσlσlσk)]AkBl
と書けるが、Pauli 行列が次の性質を持つことに注意すれば
[σk,σl]=2δk,lσ0{σk,σl}=2iϵk,l,mσm
上式は
(σA)(σB)=[δk,l+iϵk,l,mσm]AkBl=(AB)+iσ(A×B)
と書けることが分かる。

ここに、[,] は反交換関係、{,} は交換関係を表す。