集合・位相

第一加算公理

$X$ を第一可算公理を満たす位相空間とする。

(1)
$O$ を $X$ の空でない部分集合とするとき
「任意の $a \in O$ および $a$ に収束する $X$ の任意の点列 $\{a_n\}_{n = 1}^{\infty}$ に対して、ある $N \in \mathbb{N}$ が存在し、$n \ge N\ (n \in \mathbb{N})$ ならば、$a_n \in O$ となる」ならば、$O$ は $X$ の開集合であることを示せ。

(2)
$A$ を $X$ の空でない部分集合とする。
「$A$ の任意の収束する点列 $\{a_n\}_{n = 1}^{\infty}$ に対して、$\lim_{n \to \infty} a_n \in A$ となる」ならば、$A$ は $X$ の閉集合であることを示せ。

(1)

対偶を示す。
$O$ が $X$ の開集合でないとする。
このとき、ある $a \in O$ が存在して、$a$ の任意の近傍 $U$ に対して $U \not\subset O$ となる。
ここで $X$ は第一可算公理を満たすので、$a$ のある可算基本近傍系 $(U_n)_{n \in \mathbb{N}}$ が存在して
\begin{align}
U_1 \supset U_2 \supset \cdots U_n \supset \cdots
\end{align}
となる。
従って、$n \in \mathbb{N}$ に対して、$a_n \in U_n$ を $a_n \notin O$ となるように取ることが出来る。
このとき、$X$ の点列 $\{a_n\}_{n = 1}^{\infty}$ は $a$ に収束するが、任意の $n \in \mathbb{N}$ に対して $a_n \notin O$ である。

(2)
対偶を示す。
$A$ が $X$ の閉集合でないとする。
このとき、$X\backslash A$ は開集合ではない。
$X$ は第一可算公理を満たすので、(1) の結果より、ある $a \in X\backslash A$ および、$a$ に収束する $X$ の点列 $\{a_n\}_{n = 1}^{\infty}$ が存在し、ある $k \in \mathbb{N}$ が存在して、$n_k \ge k$ となる $n_k \in \mathbb{N}$ に対して、$a_{n_k} \notin X\backslash A$ すなわち、$a_{n_k} \in A$ となるものが存在する。

さらに $n_k$ を $\{a_{n_k}\}_{k = 1}^{\infty}$ が $\{a_n\}_{n = 1}^{\infty}$ の部分列となるように取れば、点列 $\{a_{n_k}\}_{k = 1}^{\infty}$ は $a \in X\backslash A$ に収束する。