集合・位相

相対位相

$(X, \mathfrak{D})$ を位相空間とし、$A$ を $X$ の空でない部分集合、$B$ を $A$ の空でない部分集合とする。
$A$ の $\mathfrak{D}$ に関する相対位相 $\mathfrak{D}_A$ を考えると、
$B$ の $\mathfrak{D}_A$ に関する相対位相は、$B$ の $\mathfrak{D}$ に関する相対位相となることを示せ。

$B$ の $\mathfrak{D}_A, \mathfrak{D}$ に関する相対位相を各々 $\mathfrak{D}’, \mathfrak{D}^{\prime\prime}$ とする。

先ず、$\mathfrak{D}’ \subset \mathfrak{D}^{\prime\prime}$ を示す。
$\forall O \in \mathfrak{D}’$ を考える。
このとき、$\exists O’ \in \mathfrak{D}_A, O = O’ \cap B$ が成り立つ。
さらに、$\exists O^{\prime\prime} \in \mathfrak{D}, O’ = O” \cap A$ が成り立つ。
従って
\begin{align}
O &= (O^{\prime\prime} \cap A) \cap B \\
&= O^{\prime\prime} \cap (A \cap B) \\
&= O^{\prime\prime} \cap B
\end{align}
となる。最後の等式で $B \subset A$ を使った。
これより、$O \in \mathfrak{D}’$ となり、$\mathfrak{D}’ \subset \mathfrak{D}^{\prime\prime}$ が言える。

次に、$\mathfrak{D}’ \supset \mathfrak{D}^{\prime\prime}$ を示す。
$\forall O \in \mathfrak{D}^{\prime\prime}$ を考える。
このとき、$\exists O^{\prime\prime} \in \mathfrak{D}, O = O^{\prime\prime} \cap B$ が成り立つ。
従って
\begin{align}
O &= O \cap A \\
&= (O^{\prime\prime} \cap B) \cap A \\
&= (O^{\prime\prime} \cap A) \cap B
\end{align}
が成り立つ。
ここで $O^{\prime\prime} \cap A \in \mathfrak{D}_A$ に注意すると、$O \in \mathfrak{D}^{\prime\prime}$ が言える。
つまり、$\mathfrak{D}’ \supset \mathfrak{D}^{\prime\prime}$ が成り立つ。

以上の議論より $\mathfrak{D}’= \mathfrak{D}^{\prime\prime}$ が言えるので、題意が示された。