集合・位相

数列の有界性

$\{a_k\}_{k = 1}^{\infty}$ を $\mathbb{R}^n$ の点列とする。
ある $M > 0$ が存在して、任意の $k \in \mathbb{N}$ に対して
\begin{align}
\|a_k\| \le M
\end{align}
となるとき、数列 $\{a_k\}_{k = 1}^{\infty}$ は有界であるという。

$\mathbb{R}^n$ において収束する点列は有界であることを示せ。

$\{a_k\}_{k = 1}^{\infty}$ を $\mathbb{R}^n$ における収束する数列とし、その収束値を $\alpha$ とする。すなわち
\begin{align}
\lim_{k \to \infty} a_k &= \alpha
\end{align}
であるとする。このとき、$\forall \epsilon > 0$ に対して、$\exists N \in \mathbb{N}, n > N$ ならば
\begin{align}
\|a_n – \alpha\| < \epsilon
\end{align}
が成り立つ。三角不等式より、このような $n > N$ に対して、
\begin{align}
\|a_n\| – \|\alpha\| &\le \|a_n – \alpha\| < \epsilon \\
\|a_n\| &< \epsilon + \|\alpha\|
\end{align}
が成り立つので、$M > 0$ を
\begin{align}
M &= {\rm max}\{\|a_1\|, \|a_2\|, \cdots, \|a_N\|, \epsilon + \|\alpha\|\}
\end{align}
とすると、任意の $n \in \mathbb{N}$ に対して
\begin{align}
\|a_n\| \le M
\end{align}
が成り立ち、数列 $\{a_k\}_{k = 1}^{\infty}$ は有界であることが分かる。