をベクトル空間、 を の部分ベクトル空間とする。
(1) に対して、 となるときに であると定める時、 は 上の同値関係となることを示せ。
(2) 上で定めた同値関係 による の同値類を と表し、 による の商集合を と表す。
このとき、同値類 に対して、和 を
により定める時、この和の定義が well-defined であることを示せ。
(3) 同値類 および に対して、スカラー倍 を
で定める時、このスカラー倍の定義が well-defined であることを示せ。
(2), (3) によって定めた和とスカラー倍によって、 はベクトル空間となり、 を による の商ベクトル空間という。
(1)
が 上の2項関係であることは明らかであるので
(a) 反射律
(b) 対称律
(c) 推移律
を満たすことを見る。
(a) に対して、 であり、 は の部分ベクトル空間であるので、 となり、反射律を満たす。
(b) のとき、定義より である。ここで、 は の部分ベクトル空間であるので である。これは すなわち、 を意味するので、対称律を満たす。
(c) とする。すなわち が成り立つ。 は の部分ベクトル空間であるので、 となり、これは を意味するので、推移律を満たす。
以上より、問題で定義された は における同値関係であることが分かり、その商集合が定義される。それを と書くことにする。
(2)
に対して、 とする。
このとき
が成り立つ。ここで は部分ベクトル空間であるので
が成り立つ。すなわち が成立する。
従って、和の定義において、代表元の取り方に依存しないので well-defined であると言える。
(3)
に対して、 とする。
このとき
が成り立つ。 は部分ベクトル空間でるので、任意の に対して
が成り立つ。すなわち が成立する。
従って、スカラー倍の定義において、代表元の取り方に依存しないので well-defined であると言える。