集合・位相

合成写像の逆写像

$X, Y, Z$ を空でない集合とし、$f: X \to Y, g: Y \to Z$ を各々全単射とする。
このとき

(1) 写像 $(g \circ f)^{-1}: Z \to X$ が定義出来ることを示せ。
(2) 等式
\begin{align}
(g \circ f)^{-1} &= f^{-1} \circ g^{-1}
\end{align}
が成り立つことを示せ。

(1)
写像 $f, g$ は共に全射であるので、$g \circ f$ は $X$ から $Z$ への全射となる。
さらに、写像 $f, g$ は共に単射であるので、$g \circ f$ は $X$ から $Z$ への単射となる。
すなわち、$g \circ f: X \to Z$ は全単射である。
従って、その逆写像 $(g \circ f)^{-1}: Z \to X$ を定義することが出来る。

(2)
先ず、写像 $(g \circ f)^{-1}$ を考える。これは $Z$ から $X$ への写像である。
一方で、写像 $f^{-1}$ と $g^{-1}$ は、各々、$Y$ から $X$ への写像と $Z$ から $Y$ への写像であるので、$f^{-1} \circ g^{-1}$ は $Z$ から $X$ への写像であることが分かる。
つまり、二つの写像 $(g \circ f)^{-1}$ と $f^{-1} \circ g^{-1}$ の定義域と値域は各々等しいことが分かる。

次に、$z \in Z$ を考えて、$y = g^{-1}(z), x = f^{-1}(y)$ とする。
このとき $(f^{-1} \circ g^{-1})(z) = f^{-1}(g^{-1}(z)) = f^{-1}(y) = x$ が成り立つ。
一方で、逆写像の定義より $g(y) = z, f(x) = y$ であるので、$(g \circ f)(x) = g(f(x)) = g(y) = z$ が成り立つ。
すなわち $(g \circ f)^{-1}(z) = x$ が成り立つ。

これは任意の $z \in Z$ について成り立つので、題意が示された。