$X, Y$ を集合とする。このとき、以下の問いに答えよ。
(1) $X, Y$ が加算であり、$X \cap Y = \emptyset$ のとき、$X \cup Y$ は加算である。
(2) $X$ が加算集合、$Y$ が有限集合であり、$X \cap Y = \emptyset$ のとき、$X \cup Y$ は加算である。
(3) $X, Y$ が加算なとき、$X \cup Y$ は加算である。
(1)
$X, Y$ は加算であるので、全単射 $f:\mathbb{N} \to X, g:\mathbb{N} \to Y$ が存在する。
このとき、$h: \mathbb{N} \to X \cup Y$ を次のように定義する。
すなわち $n \in \mathbb{N}$ とするとき
\begin{align}
h(2 n – 1) &= f(n) \\
h(2 n) &= g(n)
\end{align}
と定める。
いま、$X \cap Y = \emptyset$ であり、$f, g$ は全単射であるので、$h$ は全単射となる。
したがって、題意が示された。
(2)
先ず、$Y = \emptyset$ のとき、$X \cup Y = X$ であるので、$X$ は加算である。
次に、$Y = \{y_1, y_2, \cdots, y_m\}$ とする。
また、$X$ は加算であるので、全単射 $f: \mathbb{N} \to X$ が存在する。
このとき $g: \mathbb{N} \to X \cup Y$ を次のように定める。
すなわち、$n \in \mathbb{N}$ とするとき
\begin{align}
g(n) &= y_n\ (n = 1,2, \cdots, m) \\
g(n) &= f(n – m)\ (n = m+1, m+2, \cdots)
\end{align}
と定める。
与えられた条件により $X \cap Y = \emptyset$ であり、また $f$ は全単射であるので、$g$ は全単射となる。
したがって、題意が示された。
(3)
先ず
\begin{align}
X \cup Y &= X \cup (Y\backslash X), \\
X \cap(Y \backslash X) &= \emptyset
\end{align}
であることに注意すれば、$Y$ は加算であるので、$Y \backslash X$ は高々加算である。
よって (1), (2) の主張より、$X \cup Y$ は加算であることが分かる。