次の反エルミート行列で張られる線形空間を考える。
\begin{align}
e_1 = \frac{i}{2}
\begin{pmatrix}
0 & 1 \\
1 & 0 \\
\end{pmatrix},\
e_2 = \frac{i}{2}
\begin{pmatrix}
0 & – i \\
i & 0 \\
\end{pmatrix},\
e_3 = \frac{i}{2}
\begin{pmatrix}
1 & 0 \\
0 & – 1 \\
\end{pmatrix}
\end{align}
ここで $(x_1, x_2, x_3) \in \mathbb{R}^3$ として
\begin{align}
g(x) &= {\rm exp}\left(\sum_{i = 1}^3 x_i e_i\right)
\end{align}
を考える。
このとき
\begin{align}
{\rm exp}(g(x)) {\rm exp}(- g(x)) = E_2
\end{align}
が成り立つことを示せ。
先の行列の指数関数の結果より
\begin{align}
{\rm exp}(g(x)) {\rm exp}(- g(x)) &= {\rm exp}((1 – 1) g(x)) \\
&= {\rm exp}(0 g(x)) \\
&= E_2
\end{align}
より示される。
なお、$e_1, e_2, e_3$ が反エルミート行列、すなわち $e_1^{\dagger} = – e_1, e_2^{\dagger} = – e_2, e_3^{\dagger} = – e_3$ より
\begin{align}
{\rm exp}(g(x))^{\dagger} &= {\rm exp}(g^{\dagger}) \\
&= {\rm exp}(- g(x))
\end{align}
が成り立つので、${\rm exp}(g(x))$ はユニタリー行列であることが分かる。