第３同型定理

(a)
$M$ が $N$ の正規部分群であることは明らかである。
従って、剰余類 $N/M$ を定義することが出来る。

また、$N/M$ が $G/M$ の正規部分群となることは、次のようにして分かる。
任意の $nM\in N/M,(n\in N)$ と $gM\in G/M,(g\in G)$ に対して
$$\begin{array}{rl}(gM)(nM)(gM{)}^{-1}& =(gM)(nM)(g^{-1}M)\\ & =(g\circ n)M(g^{-1}M)\\ & =(g\circ n\circ g^{-1})M\\ & =n^{\prime }M\end{array}$$
より、$(gM)(nM)(gM{)}^{-1}\subset N/M$ が言える。
従って、$N/M$ は $G/M$ の正規部分群である。

これより、剰余類 $(G/M)/(N/M)$ を定義することが出来る。

ここで、群の準同型写像 $\phi :G/M \to G/N$ を次のように定義する。
すなわち、$gM\in G/M,g\in G$ に対して、$g/N\in G/N$ を対応させる。
このような写像 $\phi$ が well-defined であることは次のようにして分かる。
$g_{1}M=g_{2}M,g_1,g_2\in G$ とするとき
$$\begin{array}{rl}{g}_1\circ m_1& =g_2\circ m_2,(m_1,m_2\in M)\\ g_1& =g_2\circ m_2\circ m_1^{-1}\end{array}$$
となるので
$$\begin{array}{rl}{g}_{1}N& =g_2\circ m_2\circ m_1^{-1}N\\ & =g_{2}N\end{array}$$
が言える。ここで、$M\subset N$ であることを用いた。

また、この写像 $\phi$ が準同型写像であることも同様の議論から分かる。

ここで準同型定理を用いれば、$\mathrm{K}\mathrm{e}\mathrm{r}\phi =N/M$ であり、$\mathrm{I}\mathrm{m}\phi =G/N$ より
$$\begin{array}{r}(G/M)/(N/M)\cong G/N\end{array}$$
が言える。