単位元を持つ可換環において
\begin{align}
(-1) \cdot (-1) &= 1
\end{align}
が成り立つことを示せ。
分配則から
\begin{align}
(1 + (-1)) \cdot (-1) &= 1 \cdot (-1) + (-1) \cdot (-1)
\end{align}
が成り立つ。一方で、左辺は $(-1)$ が 1 の逆元であることから
\begin{align}
(1 + (-1)) \cdot (-1) &= 0 \cdot (-1) \\
&= 0
\end{align}
が得られる。
すなわち
\begin{align}
0 &= 1 \cdot (-1) + (-1) \cdot (-1)
\end{align}
が成り立つ。
ここで、加法に対する結合則から
\begin{align}
((-1) \cdot (-1) + (- 1)) + 1 &= (-1) \cdot (-1) + ((-1) + 1) \\
&= (-1) \cdot (-1) + 0 \\
&= (-1) \cdot (-1)
\end{align}
が成り立ち、一方で左辺は先に示した式より
\begin{align}
((-1) \cdot (-1) + (-1)) + 1 &= 0 + 1 \\
&= 1
\end{align}
が示されるので、
\begin{align}
(-1) \cdot (-1) &= 1
\end{align}
が示される。