体の標数は 0 か素数であることを示せ。
どのような $p$ 個の 1 を足した値が 0 にならないときには、標数の定義から、その体の標数は 0 である。
従って、ある $p$ に対して、$p$ 個の 1 を足した値が 0 になるとする。
これを
\begin{align}
1 + 1 + \cdots + 1 &= p \cdot 1 = 0
\end{align}
と書くことにする。
このとき、$p$ を素因数分解して
\begin{align}
p &= p_1^{n_1} p_2^{n_2} \cdots p_k^{n_k}
\end{align}
となるとする。ここで、今、体を考えているので零環ではないので、$p > 1$ である。
このとき
\begin{align}
p \cdot 1 &= (p_1^{n_1} \cdots p_k^{n_k}) \cdot 1 \\
&= (p_1^{n_1}\cdot 1)\cdots(p_k^{n_k}\cdot 1)
\end{align}
が成り立ち、これが 0 になるということは、ある $m$ について
\begin{align}
p_m^{n_m} \cdot 1 &= 0
\end{align}
が成り立つ。
従って、$n_m$ 個の $p_m \cdot 1$ の積が 0 になるので
\begin{align}
(p_m \cdot 1) \cdots (p_m \cdot 1) &= 0
\end{align}
が成り立つが、これは
\begin{align}
p_m \cdot 1 &= 0
\end{align}
が成り立つことを意味する。
従って、この場合の体の標数は素数 $p_m$ となる。
これより、題意が示された。