代数学 イデアルの性質 admin 2023年11月7日 A を単位元をもつ可換環、I,J1,J2 を A のイデアルとする。 このとき、 I⊂J1∪J2 ならば またはI⊂J1 または I⊂J2 が成り立つことを示せ。 I⊂J1∪J2 とするとき、イデアル I から任意の元 a∈I をとる。(I はイデアルなので空集合ではないので、いつでもある元を取ることが出来る。) このとき、I⊂J1∪J2 なので、a∈J1 または a∈J2 が成り立つ。 ここで必要があれば、J の下付きの添字の 1, 2 を入れ替えることにより、a∈J1 と仮定しても一般性は失わない。 このとき、I⊂J1 を示す。 もし、{a} で I が尽くされていれば、I⊂J1 は成立する。 そこで、a 以外の元が I に存在する場合、その元を b∈I とする。 このとき、x=b⋅a−1∈A を考えると、J1 がイデアルであるので x⋅a=(b⋅a−1)⋅a=b∈J1 が言える。 従って、題意が示された。