代数学

アーベル群の例(1)

$G = \{x \in \mathbb{R}| x > 0, x \neq 1\}$ とする。
$x, y \in G$ に対して、$x \circ y \equiv x^{\log y}$ と定義する。
このとき、$x \circ y \in G$ となることを示せ。

従って、$\circ$ は $G$ における演算を定めることが分かる。
さらに、$G$ は $\circ$ を演算としてアーベル群になることを示せ。

$x, y \in G$ のとき、すなわち、$x, y > 0, x, y \neq 1$ のとき、$x \circ y = x^{\log y}$ は $x^{\log y} > 0$ かつ $x^{\log y} \neq 1$ であるので、$x \circ y \in G$ であることが分かる。

すなわち、$\circ$ は $G$ における演算を定める。

次に、$G$ が演算 $\circ$ を演算として群をなすことを示す。
先の議論より、$x, y \in G$ のとき、$x \circ y \in G$ であることは分かっている。
単位元は $e = {\rm e}$ であることが、$x \in G$ に対して $x \circ e = e \circ x = x$ から分かる。
また、$x \in G$ の逆元は $x^{-1} = {\rm e}^{1/\log x}$ であることも確かめられる。
従って、$G$ は演算 $\circ$ に関して群をなすことが分かる。

さらに、$x, y \in G$ のとき $y \circ x$ を考えると
\begin{align}
y \circ x &= y^{\log x} \\
&= \left({\rm e}^{\log y}\right)^{\log x} \\
&= {\rm e}^{\log x \log y} \\
&= \left({\rm e}^{\log x}\right)^{\log y} \\
&= x^{\log y} \\
&= x \circ y
\end{align}
となるので、$G$ は $\circ$ を演算としてアーベル群をなすことが分かる。