$H$ は群 $G$ の正規部分群であるとする。
$g_1, g’_1, g_2, g’_2 \in G$ が $g_1 H = g’_1 H, g_2 H = g’_2 H$ を満たすとき
$g_1 g_2 H = g’_1 g’_2 H$ を示せ。
$g_1 H = g’_1 H$ より、$\exists h_1, h’_1 \in H$
\begin{align}
g_1 \circ h_1 &= g’_1 \circ h’_1
\end{align}
が成り立つ。同様に、$g_2 H = g’_2 H$ より $\exists h_2, h’_2 \in H$
\begin{align}
g_2 \circ h_2 &= g’_2 h’_2
\end{align}
が成り立つ。
$H$ は部分群であるので、任意の $H$ の元の逆元が $H$ の中に存在する。従って、得られた2つの式から
\begin{align}
g’_1 &= g_1 \circ h_1 \circ (h’_1)^{-1} = g_1 \circ h^{\prime\prime}_1 \\
g’_2 &= g_2 \circ h_2 \circ (h’_2)^{-1} = g_2 \circ h^{\prime\prime}_2
\end{align}
が得られる。ここに $h_1 \circ (h’_1)^{-1} = h^{\prime\prime}_1, h_2 \circ (h’_2)^{-1} = h^{\prime\prime}_2$ とし、$h^{\prime\prime}_1, h^{\prime\prime}_2 \in H$ である。これより
\begin{align}
g’_1 \circ g’_2 &= g_1 \circ h^{\prime\prime}_1 \circ g_2 \circ h^{\prime\prime}_2
\end{align}
いま、$H$ は正規部分群であるので、$g_2 H = H g_2$ が成り立つ。すなわち、$\exists h^{\prime\prime\prime} \in H$
\begin{align}
g_2 \circ h^{\prime\prime\prime} &= h^{\prime\prime}_1 \circ g_2
\end{align}
となる。
従って
\begin{align}
g’_1 \circ g’_2 &= g_1 \circ g_2 \circ h^{\prime\prime\prime} \circ h^{\prime\prime}_2
\end{align}
が成り立つ。
これより
\begin{align}
g’_1 g’_2 H &= g_1 g_2 H
\end{align}
が示される。