フーリエ級数・フーリエ変換・フーリエ解析

補間多項式

相異なる点 $x_0, x_1,\cdots$ において、関数値 $f(x_0), f(x_1), \cdots$ が与えられている。

(1) 2点 $(x_0, f(x_0)), (x_1, f(x_1))$ を通る高々1次の関数 $y = a_0 + a_1 x$ の係数 $a_0, a_1$ を決定せよ。

(2) 3点 $(x_0, f(x_0)), (x_1, f(x_1)), (x_2, f(x_2))$ を通る高々2次の関数 $y = a_0 + a_1 x + a_2 x^2$ の係数 $a_0, a_1 a_2$ を決定せよ。

(3) $n + 1$ 点 $(x_0, f(x_0)), (x_1, f(x_1)), \cdots, (x_n, f(x_n))$ を通る高々 $n$ 次の関数 $y = a_0 + a_1 x + \cdots + a_n x^n$ が一意的に決まることを示せ。

(1) 単に答えを求めるなら
$$y – f(x_0) = \frac{f(x_1) – f(x_0)}{x_1 – x_0} (x – x_0)$$
となるが、(2), (3) を見越して、より一般的な方法で導くことにする。

今、求めたい $a_0, a_1$ は次の連立方程式の解である。
\begin{align}
a_0 + a_1 x_0 &= f(x_0) \\
a_0 + a_1 x_1 &= f(x_1)
\end{align}
これを行列で書けば
\begin{align}
\begin{pmatrix}
1 & x_0 \\
1 & x_1 \\
\end{pmatrix}
\begin{pmatrix}
a_0 \\
a_1 \\
\end{pmatrix}
&=
\begin{pmatrix}
f(x_0) \\
f(x_1) \\
\end{pmatrix}
\end{align}
このような連立1次方程式の解を求める表式はクラメルの公式として知られている。
すなわち
\begin{align}
A &=
\begin{pmatrix}
1 & x_0 \\
1 & x_1 \\
\end{pmatrix},\
A_0 =
\begin{pmatrix}
f(x_0) & x_0 \\
f(x_1) & x_1 \\
\end{pmatrix},\
A_1 =
\begin{pmatrix}
1 & f(x_0) \\
1 & f(x_1) \\
\end{pmatrix}
\end{align}
とするとき
\begin{align}
a_0 = \frac{{\rm det}A_0}{{\rm det}A},\ a_1 = \frac{{\rm det}A_1}{{\rm det}A}
\end{align}
と求められる。実際に $a_0, a_1$ をこの表式から求めると
\begin{align}
{\rm det}A &= x_1 – x_0 \\
a_0 &= x_1 f(x_0) – x_0 f(x_1) \\
a_1 &= f(x_1) – f(x_0)
\end{align}
となり、これは最初に示した一次式と一致する。

(2) (1) の方法を3行3列の場合に適用することにより
\begin{align}
a_0 = \frac{1}{{\rm det}A}
\begin{vmatrix}
f(x_0) & x_0 & x_0^2 \\
f(x_1) & x_1 & x_1^2 \\
f(x_2) & x_2 & x_2^2 \\
\end{vmatrix},\
a_1 = \frac{1}{{\rm det}A}
\begin{vmatrix}
1 & f(x_0) & x_0^2 \\
1 & f(x_1) & x_1^2 \\
1 & f(x_2) & x_2^2 \\
\end{vmatrix},\
a_2 = \frac{1}{{\rm det}A}
\begin{vmatrix}
1 & x_0 & f(x_0) \\
1 & x_1 & f(x_1) \\
1 & x_2 & f(x_2) \\
\end{vmatrix}
\end{align}
と求まる。ここで
\begin{align}
A =
\begin{pmatrix}
1 & x_0 & x_0^2 \\
1 & x_1 & x_1^2 \\
1 & x_2 & x_2^2 \\
\end{pmatrix}
\end{align}
である。

(3) 全く同様の式が $(n + 1) \times (n + 1)$行列について成り立つが、ここで
\begin{align}
A =
\begin{pmatrix}
1 & x_0 & x_0^2 & \cdots & x_0^n \\
1 & x_1 & x_1^2 & \cdots & x_1^n \\
\vdots & \vdots & \vdots & \vdots & \vdots \\
1 & x_n & x_n^2 & \cdots & x_n^n \\
\end{pmatrix}
\end{align}
が逆行列を持つかどうかが、一意的に $a_0, a_1, \cdots, a_n$ が決まるかを決定する。
ここで、$x_0, x_1, \cdots, x_n$ は全て異なるので、${\rm det}A \neq 0$ であるので、$A$ は逆行列を持つ。
従って、$a_0, a_1, \cdots, a_n$ はただ1つに決まることが分かる。