を 上の1次関数全体の集合とする。
また
とする。
また、写像 を
で定義し、写像 を の定義域を に制限した写像とする。
このとき、以下の問の答えよ。
(a) は写像の合成に関して群をなすことを示せ。
(b) は行列の乗法に関して群をなすことを示せ。
また、 は の正規部分群であることを示せ。
(c) は群の準同型写像であることを示せ。
また、 を求めよ。
さらに、 に準同型定理を用いると、どのような群の同型が得られるか?
(d) は群の準同型写像であることを示せ。
また、 を求めよ。
さらに、 に準同型定理を用いると、どのような群の同型が得られるか?
(a)
とする。
このとき、 は
となり、 より、 であるので、 が言える。
また、単位元は とした である。
さらに、任意の の元 に対して、その逆元 は に注意して
により得られる。
従って、 は写像の合成に関して群をなすことが分かる。
(b)
の任意の元 を
とすると、その積 は
となり、 より、これは の元であることが分かる。
また、単位元は明らかに
である。
さらに、任意の の元
に対して、その逆元は
であり、これも の元である。
従って、 は行列の乗法に関して群をなすことが分かる。
さらに、 の任意の元
に関して、 であることに注意すれば、 を の任意の元とするときに、行列式の性質
から、 が言える。
また、単位元も明らかに に含まれる。
さらに、 が群であることを示した証明の過程において、その逆元を見れば、 の任意の元 の逆元もその行列式が1となり となることが分かる。
従って、 は の部分群となる。
さらに、 を2行2列の正則行列とした時に成り立つ行列式の性質
から、 とした時に が言えて、同様の議論を に対して行えば が言えるので、結局 が成り立つ。
すなわち、 は群 における正規部分群をなすことが分かる。
(c)
とし
とすると、
となる。一方で
となることから、写像 は群の準同型写像であることが分かる。
さらに、明らかに であり、
であることが分かる。ここに、 は2行2列の単位行列である。
従って、準同型定理より
が言える。
(d)
(c) と全く同様にして、 が群の準同型写像であることが分かる。
また、 であり、さらに、 であることが分かる。
従って、準同型定理より
が言える。